2015年3月31日

【尾下義男】危機管理アドバイザー『防災レポート』 2

2、「防災教育」について

防災・減災社会の構築に向けて、微力ながら全力で取り組んでいます。

先般、国連防災会議が仙台で開催されました。
東日本大震災から4年目を迎えましたが、いまだ復興は半ばに過ぎません。
過去に例をみない、未曾有のトリプル災害(地震・津波・原発)でした。

災害対策は、ソフト対策とハード対策の多重防御対応が重要です。

「人命を守る」ことを最優先に、“逃げる、凌ぐ、防ぐ”を三位一体として、
一人ひとりが生き抜く為に、

事前防災を主軸とした「減災対策」
※事前防災=災害が起こる前の備え、被害を最小化する備え
防災行動力を身につける「防災教育」

が、喫緊の課題ではないでしょうか。

先般も小学校で、先生、父兄、児童に地震の話をしてまいりました。
その際、身を守る行動をとって頂いたところ、全員が頭を手で押さえました。
頭を守ることの大切さは、全員知っています。
しかし、頭の守り方に工夫が足りません。
頭を、直接、手やカバンで抑えるのではなく、
約10~15センチ離して「空間」を作ることが、実は重要なのです。

重要性を知って頂くために、全員で実演してもらいました。
頭を手やカバン等で直接抑えると頭が重くて、
首を左右に動かすことができません。
視野も90度ぐらいです。
頭の上を空間にすると、視野が180度に広がり
ハザード(危険)を回避するとともに、頭への衝撃を抑えることもできます。
より身の安全確保行動が、とり易くなるのです。

これは、机上の空論ではなく小職の経験知(値)からのものです。
この例に見るように、
実情に合った、きめ細かい「防災教育」が肝要と存じます。

尾下 義男 先生(オシタ ヨシオ)
危機管理アドバイザー・防災士
精神対話士・生涯学習インストラクター