2023年3月14日

【社員研修トピック】もうすぐ入社してくるZ世代の新入社員は、何を考え、どう行動するのか―

もうすぐ入社してくるZ世代の新入社員は、何を考え、どう行動するのか―

1月に開催しました私どもの全国経営者大会。
そのなかから、とても評判が良く、興味深かった講演を取り上げてみたいと思います。
いわゆる「Z世代」の若者は、何を考えていて、どう行動するのか、
現代の若者の価値観・行動研究の第一人者、小島雄一郎氏に語っていただいた講演です。
小島氏は、電通のシンクタンクである若者研究部で、若者の定点観測に取り組むとともに、
若者に対する情報発信をしたい企業の戦略プロデュース、商品開発といったお仕事をされています。

なぜ、Z世代の考え方を知らなければいけないのか

さて、いわゆる「Z世代」とは、現在26歳から12歳くらいまでの若者。
ここ数年まえから皆さんの会社に入社してきた世代です。
企業の購買層として考えると、全人口の13%程度で人数的にも少なく、お金も持っていませんので、
魅力は小さいのですが、小島さんは、私たちがZ世代の若者が何を考えているかを知ることの意味をこう言われます。
若者は一番進化した人類であると言える、だから進化の最先端を行く若者の価値観を知ることによって、
新しい価値観の潮流を知ることが大事だと。
そうすると、こんなふうに反論する人がいます。
いつの時代でも若者は変わっていると言われてきたとか、それは都会だけの話だろうとか、うちの子どもはそんなことないよと。
もちろん、なかにはそういう人もいるでしょう。
しかし、そのような一部の少数派にとらわれず、
Z世代といわれる人たちの傾向を知ることによって大きな流れをつかむ、時代の変化に敏感になりましょう、
そして企業の価値観がアップデートができているか、見直してみましょうということです。

Z世代の考え方・価値観と時代背景を知る

さて、それでは具体的に、Z世代の若者はどんなことを考えているのでしょうか。
たとえば、
●学校の友達より、ネットで知り合った友達の方が本当の友達
●チームのキャプテンは、いじられキャラだと上手くいく
●いちいち意思決定するのはめんどうくさい
●テレビって時間が長い
●入社してから配属先が決まるのって、ありえなくないですか?
いかがでしょうか。なぜ、こんなことをいうのか理解できないと感じる方も多いと思います。
では、この発言の背景にはどんなことがあるのか見てみましょう。

まず時代背景としてあげられるのは、Z世代は、成長した日本をみたことがないということです。
平均年収も長年にわたって横ばい。
いくら頑張って働いても、上司、先輩の給料が上がっていないという現実を見ています。
ですから、給料があがらないのに、
責任だけ重くなる管理職になんてなりたくないという人が増えているという困ったことになっています。

また、お金離れ、お金を求めないという面も持っています。
今は昔のように、安かろう悪かろうの時代ではありませんし、
サブスクのように多くのものを無料で楽しめるサービスが溢れていますので、
お金を稼いで所有するという考え方が希薄になっています。
またサブスクだと一つに選ばなくてもよいので、
そのうち一つに決めるという意思決定もめんどうくさくなるというわけです。

情報環境でいうと、今は処理不可能な膨大な情報量で溢れかえっています。
情報は、“とる”から“捨てる“へと変わってきているのです。自分にとって要らない情報をいかに切り捨てるか。
ですから、タイパ(タイムパフォーマンス)、時間対効果を求めます。
YouTubeは倍速で視ますし、テレビは時間が長いし効率が悪いので視ないのです。

SNS世代のコミュニケーション、人間関係のつくり方とは

そして、SNS全盛時代。
リアルの交流よりも、スマホの世界でつながるという交流が当たり前になっています。
みんなが自らの日常を競ってインスタにあげ、お気に入りのもの、プライベートは丸見えです。
SNSで人間関係が始まり、深めていくのです。
ですから実際に会っての外見より、会ったこともない人のインスタを通してみる姿の方がリアルと感じ、
ネットで出会った友達のほうが本質でつながっていると感じるのです。
また教育環境も変化してきています。
アクティブ・ラーニングを取り入れることにより、ディスカッション、グループワークなどを通じ、
生徒が能動的に考え、学習する教育法を実践してきました。
また、プログラミング、資産形成、ダンスなどの自己表現といった今までにない科目もあり、
自主性、能動性を持って生きていく力を育んできました。
自分で考える力を養成してきたことで、自分の幸せは自分で決めるという意識は強いですし、
個性を伸ばす教育を受けてきていますから、いわゆる上からの押し付け教育では、
納得せず動かないということです。
これから入社してくる新入社員の育成は、何をするのか、どうするのかに加え
、「そうする理由は何か」を納得させて、
自ら考えて動くように導く指導が重要なのです。

いかがでしょうか。
Z世代がどんな考え方をもっているか、少しは理解いただけましたでしょうか。
またそのような考え方を持つに至った、時代背景も少しはお分かりいただけたかと思います。
このような背景に照らし合わせて考えると、日ごろZ世代の若者を見て、
よくわからないと思っている言動が、少しは理解していただけたのではないかと思います。
どうせ世代が違うのだからと諦めてしまうのではなく、この内容を参考にしながら、
どのように接していけばZ世代と上手くつき合えるのかと考えていただいたらいいのではないかと思います。
 
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(文責:増岡)