【平松陽一】人と仕事と仕組みの『スリーバランスセオリー』 16

スリーバランスセオリー


16.仕事のしくみ(システム・運営・ルール)を明らかにする


仕事を通して人の能力を活かしていくには、しくみが必要だ。
せっかくここまで頑張っているのだから、しくみをしっかりさせたらと思うのであるが、
残念ながらその発想をもてない経営者がいる。
企業を回ってみて、人事評価等を実施していない中堅・中小企業が多いことには驚かされる。
このような会社の経営者は、人事は社長の最後に残された権限であると言う。
確かにその通りだ。
ところが、これが組織の力を弱めているところに気がついていない。

このような経営者であっても、人事にその人の好みが出てくるということは、そう滅多にはない。
では、どのような弊害があるのだろうか?
それは、人に対する経営者の価値観が出てしまうところがある。
社員には、厳しさを要求しながらも、実際には安泰・平凡な生活を望む二世・三世経営者がいる。
すると、どうしても自分の価値観に合う人材を強化するということになりかねないのである。
人事評価について申し上げると、トップの思い通りに評価がされるのであれば、
その企業は今のままで変わらないと言ってまず間違いない。

コンサルタントの中にも、最後は社長が決めればと言う人がいるが、それは役員についてのものであり、
それを一般社員にまで適用するのであれば、それはそれだけの企業なのだ。

最近、同じ基準で採用すると女性の方が優秀だという言葉を聞く。
ところが、その優秀なはずの女性若手社員が辞めてしまうことが多い。
このような会社の経営者が口にするのは、「まだ受け入れた体制・教育ができていないからだ」という。
これはあまり正しくない。大切なのは、受け入れ体制や教育ではない。
要は、経営者の価値観が女性社員は結婚して早く辞めてもらいたいという
考え方が根底にあることが一番の原因なのだ。


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