【平松陽一】人と仕事と仕組みの『スリーバランスセオリー』 18

スリーバランスセオリー


18.バランスはなぜ保たなければならないか


仕事、しくみ、人はどれが高くても、低くても、三脚の上に乗っている規範は、水平でなければならない。
一時的には、どこか1つの脚が頑張ることがあるかもしれない。
または、規範が組織を救うことがあるかもしれない。
しかし、それだけではやがて組織は支えられなくなってしまうのだ。

特定の人に依存した組織をつくれば、初期には何とかなることが多い。
しかし、やがてその人が外れた時に、どうしてよいのか分からなくなってしまうのだ。
規範は、それ自体では組織を支えることはできない。3つの脚で調整した後の微調整はできるが、
大きく調整することはできないのである。
だから、「やる気で乗り切る」ということはないと考えた方がよいのだ。
それにも関わらず社員がやる気になれば、○○が前向きになれば、ということに頼っている
経営者が多いことは残念なことである。

規範はある程度支えになることはある。
しかし、それを頼りにすることは経営をする上であってはならないことなのである。
例えば、社内に何となくやる気が感じられないために、ある部長が巧みな手を打ちながら、
社員の不満を押さえようとする。何とかその不満を改善しようとするために、トップに話す。
ところが、トップは今が何となく上手くいっているのでなら、それでよいのではないかと思うと、
不満を取り除くために手を打とうとしないのである。
それでも部長は何とかしなくてはと、社員と夜遅くまで飲むようになる。
社員に対しては「分かった、何とか…」と言いながらも実際には何もできないのである。


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