【平松陽一】人と仕事と仕組みの『スリーバランスセオリー』 27

スリーバランスセオリー


27.経済指標で読めるものもある



経済数値指標は役に立たないという。そのために、街角インタビューやタクシーのドライバーなどに聞いて、
景気が良い悪いの判断をしているが、この2つにはそれぞれ特徴がある。
前者は、結果としての数値であり。それが経営活動の中で実感として分かるには時間がかかる。
一方、後者はデータが片寄っているということがある。考えなくてはならないのは、このような経済指標が
自分達のビジネスとどのような関係があるかということだ。
高級店の売り上げは、景気にも影響されるが、株価の変動に関連することが多い。
多くの人は、人は賃金により収入が変わると思っている。賃金の高低に購買が影響されるから、
賃金が上がらないと購買力が高まらないというものだ。この理屈に当てはまらないものがある。
それは、収入にはもう一つあるということである。

資本(金)が収入をもたらす(賃料収入、株の配当金等)ということだ。株には、配当や売買収入がある。
日本の企業の多くは、3月が決算であり、6月に株主総合、7月に配当金の支払いとなる。
ということは、株主としての配当金のある人は、7月が収入が多いこととなる。
従って、この収入が増えると、資産所得として入ってくるのであるから、普段買えないものを買おうとする。
そのために、7月に高級品が売れるのである。
ついでに言うならば、この収入を8月まで引っ張ることができるのであれば、8月の売上ダウンは
少なくてすむのである。
多くの老舗といわれるところは、この層の顧客を相手にしている。
だから、景気に左右させることが少ないのだ。勿論、商品に特徴があるのは事実であり、
顧客が固定しやすいことはある。本質的には、景気に大きく影響されない層を相手にしていることが
あるから、長年に亘り生き残っているのである。
要は、このような動きに対応するために、スリーバランスをどう調整するかということだ。
季節変動のある業種ではスリーバランスにより調整してみることだ。
需要の少ない時期に人を入れて、しくみを整えておき、繁忙期に間に合わすというものである。
経済指標は、このために役立つものである。
本来、商品に季節変動はつきものである。この場合、組織の中の固定費は季節変動の低いところに合わせ、
需要の高い時期は変動費で対応することである。
これを老舗では、変動費は限界利益を低めるものと割り切っているとことが多い。
そのことを割り切ることにより、よい商品が提供できるのである。


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