【平松陽一】社長・後継者のためのホンネ経営 Ⅲ-23

Ⅲ.「稼業」


23.何も手を出さないという投資もある

経営を存続させるのであれば、投資は欠かせない。昨今問題になっているのが企業の余剰資金を設備投資に回さないということに対する批判です。
資金を抱え込んでいるというのも一つの投資ではないかと思うのですが、事業活動に活用できるものでなくてはならないとなると、いささか行き過ぎではないかと思うことがあります。
何かやらなければならないというのは、確かに事業活動の宿命です。さりとて、投資をしたがために経営活動の難度が高まったりすると、それがために事業活動が行き詰まったりすることを何回となく見てきました。
その投資の多くが成長産業と思わしきものです。そもそもセミナー等を聞いたところで、本当の理想的な投資とは何もしないという投資であることが多いのです。
「よくここまで潰れないで経営をされてきましたね」と言うと、「何もしなかったからですよ」という答えを返されることがよくあります。
この言葉は、奥が深いと感じます。経営者が何もしないなどということは、あり得ないことです。何もしないということは、余計なことには手を出さなかったということです。それは、内部資金の豊かさへと繋がるのです。

次回:2019年6月19日 掲載予定

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