2017年10月5日

【平松陽一】組織を動かす経営計画 33

組織を動かす経営計画


33.日々の活動の延長とそうでないもの

「仕事は忙しいですか」
と質問をすると、殆どの人が、
「忙しくて」
という答えが返ってくる。

ところが、それで業績がよいかというと、必ずしもそうでないことの方が多い。

これは、近藤家でも同じであった。現代と昔は比較できないが、当主から末端までよく働いたという。
ところが、それだけではないのだ。これは経営をする上で考えなくてはならないことがある。
忙しさとは、売上高と営業利益に関係する。

 1.売上は仕事量と見てよいだろう。だから、売上が上がれば忙しくなる。
 2.営業利益は、人の動き、設備の動きとの関連からとらえることができる。

だから営業利益がでないから人を減らす、設備を縮小するということが行われる。
この2つにより、忙しさを感じるのである。その場合に、将来が見えないということもあり、
精神的な多忙感を感じることがあるのだ。これが慢性疲労となる。
おそらく近藤家の人達もそのような状況になったのではないだろうか。
冷たい話だが、儲かる時はこれといった工夫をしなくても儲かるものなのである。

また、仮に忙しいとしても、それを感じないところにある。経営活動で気をつけなければならないのは、
日々の活動の忙しが必ずしも利益に貢献しないことだ。
むしろ、利益の増大は日々の活動以外のところに意外なチャンスがあるということも忘れてはならない。

次回:2017年10月18日 掲載

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