2014年12月17日

【平松陽一】人と仕事と仕組みの『スリーバランスセオリー』 21

スリーバランスセオリー


21.仕事に対する手の打ち方(2)


組織が上手く働かずに、売上が停滞したり、管理コストが増加してしまうのは、
仕事と言えば、目標を設定して、これに対してアプローチをする。
そして、出来たか出来ないかを評価するということであるが、
この3つのプロセスの中で大切なのは、測定・評価である。
それは、仕事はエンドレスであるという現実からである。
だから、次どうするかということが、大切なのだ。
それにも関わらず、戦略経営の領域では、莫大な時間を使って、環境分析と
目標設定が行われ過ぎている感がある。だから、仕事への手の打ち方を見る時は、
設定して目標を達成した時、または達成できなかった時に、
どのような手で対処しているかをチェックしてみることだ。

ここのところ、アベノミクスによって、好業績が続いている企業がある。
建設業などは目標値を大幅にオーバーしている。目標を達成しているのであるから、結果は良い。
しかし、よく聞いてみると、どうしてよいのか分からないという言葉を聞いた。
これは、自分達の仕事が何であるか分かっていないことに通じる。
経営的にみると、災害のようなものだ。私は仕事柄災害現場とその復興需要を見ることが多い。
例えば、三陸津波の後は、多くの人が10年は復興需要があると言った。
そこで、10年間復興需要がある背景は何ですかと聞くと、下を向いてしまう。
太陽光発電についても、20年間需要は十分というが本当だろうか?
だから、測定・評価をしてよく分からないものは疑ってかかることだ。
永年お付き合いをして思うが、ファッション関連の企業が倒産しやすいのは、
本人達は頑張っているというが、実は何となく伸びてしまっているところがあるからだ。

経営はエンドレスだ。だから、賢い経営者は今よくても、悪くても、
それを一時の出来事でしか受け取っていないのである。


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