2017年10月18日

【平松陽一】組織を動かす経営計画 34

組織を動かす経営計画


34.事業価値の見極め方

事業の効率を見るのに、生産性や分配率は適している。
この2つは、どれだけ効率よく稼いでいるかの指標であり、事業価値を見るには一面的である。
そこで考えなければならないのが、投資効率という考え方だ。
いくら資金をつぎ込んで、どれ位の期間で元が取れるかというものである。

この数値を累計していき、100を超えた時に初めてトントンという考えだ。
つまり、事業評価とはいくらの投資をして、いくらリターンしてきたかのバランスなのである。
ここの何年か注目を集めたものに、太陽光発電がある。
太陽光発電は、政府の方針により減価償却を17年に亘り認めるというものだ。過去に例がないものだ。

ところが、これに多くの人が飛びついた。当たり前だ。
5年程度で償却しなくてはならないものを20年かけてよいというものだ。利益は出るのである。

ところが、現実にこれは上手い儲け話だと思って参入すると、設備投資をしたその年にその購入費用を支払わなくてはならない。
つまり、利益が出ているのに、現金が足らなくなることが起きるのだ。
なぜこのような仕組まれたロジックを多くの経営者が分からないかと呆れるところがある。
確かに利益は源泉であり、やがて戻ってくるというのは正しい。
しかし、その戻ってくる前に会社がなくなってしまう可能性があるのだ。

次回:2017年11月1日 掲載

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