2017年11月15日

【平松陽一】組織を動かす経営計画 36

組織を動かす経営計画


36.出すもの(支払い)はきちっと出す

キャッシュフローとは、お金の流れを示すものだ。

近藤家が終始神経をとがらせたのは、お金の流れがスムーズであるか否かである。
人間の血液と同じで心臓はよいが、,末端が弱い。上半身はよいが、下半身が弱い。
血圧が高すぎていつダウンするか分からないというものだ。

近藤家では、これを手代が把握していた。
それにより、キャッシュフローがおかしくなりかけると、
集金をしたりお客様にお願いをしてスムーズになるようにしたのだ。
これが近藤家が後世まで残ることになる勘所であった。

利益は出なくても潰れないが、現金が足らなくなると潰れてしまうのはこのことを言う。
人間の血液と同じように、たった一ヶ所脳の血管が詰まると、全体におかしくなってしまう。
営業担当者には売上と粗利には興味があるが、現金に対してはそれ程ではない傾向がある。
そうならないためには、

売上 → 売掛 → 手形 → 入金
仕入 → 買掛 → 手形 → 出金

という入金と出金のバランスを見ることなのだ。
このどこかに資金の流れが滞っているところがあるならば、それを解消することなのだ。

大切なのは、入金と出金を合わせてスムーズに流れていることであり、入金はスムーズだが、
出金がそうでないと全体が崩れてしまう傾向があるのに注意したいものだ。
健全な現金とは、健全な流れの中で留保されるものであり、出金を止めてしまうと、
それに合わせて入金がルーズになってしまうので注意したいものだ。

次回:2017年12月6日 掲載

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