2017年12月6日

【平松陽一】組織を動かす経営計画 37

組織を動かす経営計画


37.ステークホルダーと世間の目の違い

ステークホルダーと世間の目の違いを経営者は常に考えなければならない。

ステークホルダーとは、少なくとも何らかの利害関係にある人達だ。
それに対して、世間の目とは、直接の利害関係にはない人達を言う。

近藤家が重要視したのは、世間の目ではなく、ステークホルダーであった。
仮に、鉄山がなくなってしまったら、
生活ができなくなってしまう人達がどれだけいるかについて気を遣っていることだ。
また、ステークホルダーを少なくする自浄努力も各々の人達がしたようだ。
「もう山がなくなるのだから」家族の中の何人かは近藤家を辞めさせ、関係のない仕事をさせたようだ。

著者の関係先で、業界環境が変わり、会社を閉めなければならない状況に陥ったことがあった。
その時に、勤めていた常務の娘を常務が説得して会社を退職させるということがあった。
これにより、会社をスムーズに閉めることができたのだ。

ところが、ステークホルダーに気を遣うのではなく、世間一般に気を遣い、
評判を求める経営者が多いことにはガッカリすることがある。

とくに、地方都市でその地方の名門企業となると、そのことができないことがあるのだ。
外でよい顔をするよりも足元の人達を大切にしたいものだ。

次回:2017年12月20日 掲載

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