39.トップがチェックできる範囲 |
トップは経営情報の把握に限界があるのと同じようにチェックする範囲にも限界がある。
そのことを前提に経営活動を進める必要がある。
これから自社の成長・発展を望むのであれば、
情報収集と同時にチェックする機能を組織の中につくり、
育てることである。トップが把握できる情報には、濃淡がある。
そのために、濃い情報については、深い指摘ができるが、
淡い情報については、指摘が弱くなってしまうことになる。
これを向きになってチェックしようと思うと、
本来社長のするべき仕事ができなくなってしまうことがある。
このようなことは、誰から言われなくても知っているし、
セミナーでは必ず言われることなのだが、なかなかできない。
著者の関係先では、
経営計画のチェックのための書式を四半期(3ヶ月)毎に部門別に作成して提出してもらい、
それをチェックするようにした。それは、目標を達成し、やるべき施策を実施しているのであれば、
その部門はチェックをしなくてよいという前提に立っている。
そこでチェックを任せる経営計画部門は、
目標を達成していない、やるべきことをやっていない部門をチェックするのである。
そして、提出された書類に対して納得できないところがある場合に、
呼び出して、実体を把握し、チェックするようにしている。
このチェックしたものは、人事評価に活かすようにしている。
なぜなら、企業活動が経済活動である以上、
それを賞与などの金銭に換えて評価することが大切であると考えているためである。
次回:2018年2月7日 掲載
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