1、 はじめに
企業経営者は社会の不安定な経済変動に対処し、業界の厳しい競争と闘いながら、
かつてない闘魂と意欲を持って自社の発展と向上に努力されておられます!
自らの努力と同時に自分の企業に集まった全社員に、総ての期待を託しているのです。
それは経営者の政策、方針(経営計画)が管理者から監督者さらに一般社員にまで正しく伝えられ、
それが良心的に実践される事によってのみ業績を挙げることが出来るからなのです。
社員の中でも指導的立場にある幹部の管理能力が業績に直接的影響を与えることは
言うまでもありません。
今、特に我々が注意すべきは、政府の経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議で
進められている「労働時間規制緩和」政策であります。
資源を持たない日本は戦後、量(労働時間)を拡大して世界経済の中で闘い、
優位的な地位を保ってきました。それが、近年見直しの傾向にありましたが今年に入り顕著化され、
「量から質への転換」が図られようとしています!
「時間ではなく成果で評価できる仕事に就く人を対象に、労働時間規制の適用を除外する方策」を
模索しようとしていることです。
そうなると我々企業としても経営幹部・管理者のマインドと共にスキルもアップして、
この方策を先取りして運営できる仕組みを確立しなくてはなりません!
ここに、“今時の経営幹部の在り方”が求められるのです。以下に解説してまいります。
2、 管理者の仕事
一般社員は常に能力の向上を図り、それを十分に発揮して自分の仕事を遂行すれば、
それでよいかもしれません。
だが、経営幹部や管理者の方々は役職者として、自分自身がやらねばならない仕事と
職場の部下社員を指導、管理する仕事があります。
特に第一線の管理者自身の仕事は“自分の職場をしっかり掴んで、導いてゆくこと”が大切です。
1)「職場を掴む」とは
しっかり掴むということは
① 職場で何がどうなっているか、現場の実態をはっきり知っていることです。
② 職場の誰が、どうやっているか、どんなことを考えているかを知ることです。
③ 職場で仕事がどうなっているかを知ることです。
④ どんな仕事が処理されているかを知ることです。
⑤ 良い仕事の処理とはどういうことか、現在の仕事の処理はよいかどうかを知ることです。
⑥ 良いやり方とは、どういうものかを知ることです。
⑦ どうやったらよいやり方に持っていけるかと言うことを、はっきり知っていることです。
2)「導いていく」とは
① 全員の意識と行動を、良い仕事ができる方向へ持っていくことです。
② より良くする為には、どうやったらよいかを求め、実行し、
改善の方向へ自分が率先して持ってゆくことです。
③ 他人任せにしない、現場(仕事)から逃避しないことです。