2014年5月20日

【平松陽一】人と仕事と仕組みの『スリーバランスセオリー』 8

スリーバランスセオリー


8.理想的な組織と動く組織の違い



外部の人材育成団体に頼んで組織を診断してもらうと、組織が動かないか原因として、
「あなたの会社はコミュニケーションが悪いからだ」という答えが多い。
私のような仕事をしていると、クライアントから相談があった場合、
コミュニケーションが悪いと言っておけば、当たらずとも遠からずということが多いことを知っている。
組織診断というのものは、このレベルのものが多いのだ。
(これを言い過ぎると業界から潰されるので、これ位にしよう。)
私は40年間組織を見てきたが理想的な組織というものにお目にかかったことがない。

これは私の運が悪いからであろうか?
そうとも思えない。

それとは逆に、あまり優秀とは思えない人達を集めながら地道に利益を出している企業は多い。
例えばある拠点の業績が悪い場合、その支店を見直して支店長を変えればよいではという
結論になるが、中堅・中小企業ではそうもいかないことが多いのである。

・ もしこの拠点を外したらどうなるか
・ この支店長を外してどこに持っていくか
・ この支店長を外したら周りの人はどう思うか、ということである。

だから組織は打つ手がなくなってしまうのだと言ってしまえばそれまでのことである。
つまり、組織はそのポジションに置いた人が全て機能してくれることを前提としている。
しかし、現実にはそんな人材はいないと考えた方がよいのだ。
そこで考えなくてはならないのは、バランスを取りながら並行させていくには
どうしたらよいかということだ。
そのためには、支店長の仕事を見直してみることだ。多くのものを支店長に期待するには、
人と仕組みが整っていなければならない。
それを支店長一人に任せてしまうということには限界がある。
そのためには、仕事を見直すことだ。


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